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“焦り”は焦りをよび、“余裕”は余裕を呼ぶ

 “心の状態”が心の状態を決める

今から22年前、僕は大学受験を控えた
受験生でした。

私たちの世代前後は、受験戦争と呼ばれた
世代の最後の方ではありましたが、
地方都市にいたおかげでそれほど
厳しい競争にさらされずに
済んでいたのかもしれません。

ですから、受験した学校は2校。
そして、その2校目の受験の時
それは起こりました。
・・・“焦り”が焦りを呼ぶ出来事が・・・

1校目の2次試験は地元で、
得意の数学と好きな国語で受験でき、
その試験のデキもそこそこでしたので
「楽勝!」と調子に乗っていました。

ところが、調子に乗って、
2校目の受験・・・
・初めての行く場所でちょっと旅行気分
・得意の数学1科目だけ
ということで、気を抜いていました。

午前中、一緒にその学校を受験しに行った仲間の
英語の試験、国語の試験が終わり、
一緒に学食で昼食をとりました。

 明らかに違う
 「試験が終わった開放感」の友人と
 「試験前のあの緊張感」の僕。
 その空気の違いに、気づいてしまったらしく

・・・あっ、「何かやな感じ」
  心の中でつぶやいていた言葉は
  それまで、「たぶん余裕だな」だったのに
  急に、「緊張する必要は無いぞ」
  「余裕なんだから、焦る必要は無いんだ」

自分の中で使う言葉の風向きが変わり・・・
しっかりと
 “焦り”の中で、受験することになりました。
 焦りのなかでは、それまでの余裕は
  かえって、自分の準備不足にも思えてきました。
 

 いっその事、「焦り」切ってしまったら・・・
   それ以上焦る心配は無くなります。

この時、私自身の中で起こったことは、
自分の中に起こった“焦り”を見ないようにしようと

「やばい!、焦っちゃってる。どうしよ、
   焦っちゃまずいよな、どうしよ!!」

こんな風に、“焦りが自分の中にあるという”ことに
“焦って”いた訳です。

今から振り返ってみれば
・得意の数学ですし、過去の問題も解いての準備も
 充分にしていたはずです。
そして、その日にたった1教科に全力を
尽くすだけで良い(1科目受験)という恵まれた状況

それ全てが“焦り”を意識することで、
すべてが、弱みとなって襲ってきたわけです。

ここでもし、
「あっ、焦ってるな・・・」と自分の今の心の状態を
 余裕を持って受け止められていたとしたら
 どうでしょうか?

・・・焦りを覚えること、それそのものには
   それほど害はありません。
   
いってみれば、私たちの感覚からの注意信号の
ようなものです。
その「焦り」を参考に、今の自分の状態を
余裕を持って把握して対処できればいい訳です。

ところがこの“焦り”を“単なる注意信号”と
思えない程“焦っ”てくると
この焦りは、周りの可能性を
どちらかといえば、マイナスに
見せ始めるようです。

しかし、その“焦り”を焦っていると
うけとめられるとしたら・・・
・・・焦っているけど、今の自分の状態だ
   そうだよね、焦ってんだ。

諦めるのではなく、今を一旦そのまま認める。

“焦り”を「そのまま認める」こと。
「そのまま認める」という余裕で
包み込んでしまえば、
不思議なことに、私たちの心の状態は
・・・焦りから、一段視点の広がった
   余裕へと変わるはずです。

エピローグ

 かくして“焦り”の渦中で数学を受験した私は
 最初の計算問題で躓き、“焦り”を
 立て直そうと、解けそうな問題を探しているうちに
 タイムアップ。
 ・・・点数は分かりませんが、
    その学校は不合格でした。

 ラッキーなことに、1校目に合格したので
 翌月4月から進学できましたとさ。

しかし、あの見事な程の“焦り”状態になった経験は
今、“心の余裕”をお伝えしている僕にとっては
代えがたい経験(上手く言ってない方の実体験)に
なっています。

・・・どんな経験も、いつどこで役に立つかは
   わかりませんね。

(初出 メルマガ “心がイキイキする言葉のフレッシュサラダ”2012.7.6一部改変)
http://nlpfield.jp/mailseminar.html

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