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「通じているはず・・・」の罠

「か〜さん、あれどこにあるかね?」

 国民的アニメ「サザエさん」。
 2014年、お父さん波平役の永井一郎さんが亡くなって
 新たに茶風林さんの波平がスタートしました。

 違和感を覚えた方、意外にはまっているように
 聞こえた方、興味の無い方・・・さまざまな
 感想が見えそうですが。

 昭和の良き、(ちょっとこわめの)お父さんが
 長年連れ添った奥さんに
 「か〜さん、あれどこにあるかね。」
 で、思い通りのモノが出てくる。

 あうんの呼吸というか、ツーカーの関係というか
 互いの意図が、通じ合っていると
 「さすが!!」絆と感心してしまいます。

 多くの場合、「これ」とか「あれ」では
 話は、通じるどころか、かえって
 混乱することも少なくないですよね。

 「日本」という地域の特性。

 私達は、日本にいれば、ほぼ全ての人が
 日本語を使う事が出来、通じます。
 そして、ほぼいわゆる「日本人」の中で
 生活しています。

 すると・・・基本は、私達は「共通認識」を
 持っているに違いないという、認識が
 「知らず知らずのうちに」できています。

 もちろん、ほとんどの場合、
 日本にいれば、日本人が持っているであろう
 「共通認識」にそって判断したり、
 対応をすれば、大きく困ることはありません。

 しかしながら、一度、自分が思っていたことと
 違う反応が、相手から返ってくると

 とたんに、困惑してしまうのかもしれません。
 あるいは、相手のことを

    「なんて分からないヤツなんだ!」

 と非難して、そう決めつけたりしてはいませんか?

 そう、「持っているであろう」はあくまで推定で
 「思い込みに過ぎない」かもしれないことと

 日本にいる“日本人”だ・か・ら と
 相手に自分が思い込んでいることを
 もしかすると、押しつけていたかもしれないのです。

 全ての人が、
  全く同じと言うことは・・・ありえません。

 親しい友人や、パートナーとの関係を
 思い出して見て下さい。

 味の好みや、好きな本のジャンル。
 笑いのツボや、特に綺麗にしたい場所の違い。

 比較的、行動や生活を一緒にして
 色々な事を、共通でしている間柄であっても
 物事のとらえ方、ポイントは
 微妙に、あるいは、大きく違うのです。

 ですからときには、その「大きく違う」点について
 上の昭和のお父さんのように
 「あれ、いつまでに、どこで、どうするんだっけ?」
 なんて質問をしても、
 
 『全く何の話をしているのか分からない』

 と言うことになりませんか?
 ・・・もちろん、そうでない「あれ、これ、それ」で
   通じるエリアもありますが。

 全てのコミュニケーションは、
 相手がそのことを、相手の思うように受け取ります。

 ですからときには、
  「か〜さん、あれどこにあるかね?」
  「新聞なら、ちゃぶ台の下ですよ。」
 と会話が成立しても、
 ときには、 
  「か〜さん、あれどこにあるかね?」
  「おとうさん、あれってどのあれですか?」
 という混乱した会話にもなってしまうのです。

 この時に、大切なのは
 相手の反応に気づくこと。

親しい間柄ならば、直接訊ね返すことも可能でしょうが、
そうで無い相手の場合には、
ちょっとした言葉のイントネーションや表情の変化
振る舞いなどを手がかりにそれに気づく必要が
あります。

NLPでは、その「微細な違い」に気づく
五感の鋭敏性も磨いていきます。
すると、相手に対して、あなたから
関係を深め、コミュニケーションを促進する
会話を続ける事ができるようになるはずです。

昭和の良きお父さん像
頑固で、厳しいけれど、ちょっとおっちょこちょい
そんな厳格でコミカルな波平さんを
創りあげた永井さんのご冥福をお祈りすると共に

茶風林さんの新しい波平像がどんな風に、
できあがっていくかが、ちょっと
楽しみな今日この頃です。

今回のメールの内容、NLPについて
ご興味が湧きましたら、
HPやメールから、ご質問など
受け付けております。

どうぞお気軽にお寄せ下さい。

今週もありがとうございました。

(初出 メルマガ “心がイキイキする言葉のフレッシュサラダ”2014.3.7 一部改編)
http://nlpfield.jp/mailseminar.html

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